2012/08/23

20120823-27_北鎌~西穂ハイク(1日目:上高地~間ノ沢出合)

好天続きを思わせる気圧配置に息を呑む。
真夏だもの夕方以降の雷雨は仕方ない、しかしこの気圧配置なら、それ以外の雨は降らないでくれるのでは?

8月半ば、なんだかまとまって晴れてくれるだろうという確信が持てぬまま、
沢も山も大して行かずになんとなく過ごしていた我々に、突然やってきた大きなチャンス。

休みはある。
今季行くつもりだったものの日程が定まらずにいた北鎌は、今行かなければいつ行くんだ。
雷雨の心配をせずにすむ9月に行くのがベストだろうが、既にあれこれ予定があるし
どう考えても行くチャンスがない。ここに賭けてみるしかない、か。

こうして一気にルートを決めて日程を詰め、バスを予約したのが出発2日前くらいだった。

槍ヶ岳から先は、昨年の夏目指して荒天で断念した白馬岳までの縦走と迷ったが、まだ行ったことのない北穂涸沢岳間と、ジャンダルムを含む奥穂西穂間を全部一気に歩き倒すルートを選択。何度も何度もバラバラに行くのも面倒くさかったし、一度に片付けてしまいたかったw

まさかここまでヨレヨレになるとは思ってもいなかったし、我々にとっては想像以上にしんどい5日間だったが最高に充実し、やり切った感に満ち満ちた5日間であった。
■8月23日(木)晴れ(夜間に雷雨あり)
5:50 上高地到着
↓ - 0:40(ご飯食べたりなど)
6:30 上高地出発
 - 1:39
8:09 徳沢
↓ - 1:21(横尾でのお喋り含む)
9:30 横尾
↓ - 0:50
10:20 P1705
↓ - 0:20(おにぎり休憩)
10:40 出発
↓ - 1:20
12:00 ババ平キャンプ場
↓ - 0:30(休憩)
12:30 出発
↓ - 0:24
12:54 大曲
↓ - 2:18(途中30分程仮眠含む)
15:12 水俣乗越
↓ - 2:00
17:45 間ノ沢出合(幕営)
平日なのでそんなに混んでないだろうと思ったがバスも満席、上高地はこの通り登山客がわんさか。
朝6時で12℃くらいしかなかった。
寒いのでしばらくはシェルを着たままで歩くが・・・
晴れてきた。いいんだけどね、そんなに晴れなくてもいいよ・・・
暑い。兎に角暑い。
北アルプスという場所はこんなに暑いところだったっけか。
上高地から歩き出して暫く続く、なんてことない平らな移動で既に汗が物凄い。
ということはこの先どうなるのか・・・
沢沿いでおにぎり休憩。今回ふりかけとか塩昆布とか簡単なおにぎりの具がなかったので、cookpadで見つけた
ゆで卵のおにぎりを作ってみた。塩をまぶして握るとのことだったが、一旦ゆで卵を軽くめんつゆで漬けて
更にマヨネーズも入れてみた。美味!もっとしっかり漬けたり煮玉子にしてから具にしたらもっとおいしそう。
因みに玄米なのでご飯が茶色い。別に茶飯とかではない。
水が綺麗ですね
ババ平到着。
横尾で出会った3人組のパーティーは、YAC(横浜アルパインクラブ)の方だった。
我々同様今回は北鎌に行くとのことで、抜きつ抜かれつしながらも、休憩ポイントの度に話に花を咲かせていた。
「今日は、僕らはババ平で幕営するつもりだったんですけど、お二人は今日のうちに
沢まで行っちゃうんですかぁ、じゃあうちらもそこまで頑張っちゃう?
ほんとはババ平でビールでも飲んでゆっくりしようかと思ってたんだけどねぇ」

そんなことも話していたが、一人体調が優れなかったようで、結局当初の予定通り、彼らはババ平で幕営することになった。彼らが幕を張るのを眺めつつ、別れを告げ、我々は先を急ぐことに。

水場の水はちっとも冷たくなかった。ここの水は、天井沢に降りる前に汲める最後の水となる。我々はここの水の存在を忘れ、手前で多めに汲んで担ぎあげてしまった水がまだ大分あったため、ここでは大した水の補給はせず。
ババ平を過ぎて少しすると、いつもはもっと先から登場するはずの雪渓が早速お目見えした。
矢張り今年は雪が多いようだ。
大曲到着。ババ平から大曲までの道はいつもCTよりずっと早く歩ける。
絶対CT間違ってると思う・・・
さてここから400m程の標高差を登り水俣乗越を目指す。初めて通るトレイルだが難しい筈もなければただ登れば良いだけの、何の問題もないタダの道だと思っていた。しかし・・・
あ つ い
これでもかこれでもかと晴れまくり、太陽はじりじりと刺すような光を浴びせてくる。
森林限界を越えているわけでもなし、周りには草木が青臭い呼吸をしながら鬱蒼と生い茂っている。風も吹かず、逃げ場もなく、ただひたすらに自分の体温が上がっていくのを感じながら歩いている。

頭から本当に湯気が出そうだなと思ったところへすぅっと風が吹いてきた。
すると今まで気付かないようにしていた頭痛と眠気の感覚がいきなり意識下に入ってきたと思ったらもう歩きたくなくなってしまった。休もう。
寝ます。
こういう時リッジレストがザックの外についていると楽でいい。
ズババとむしり取ったリッジレストを徐に石の上に敷き横になると、ほんの数秒で眠りに落ちた。
何かの夢を見ながら熟睡すること30分余、心地良い風のお陰である程度の復活を果たした私は再び歩き出す。
おりゃ!
しかし結局歩き出せば暑いわけで、乗越に到着した頃にはまたグロッキーに。でもここからは下りだ。長い長い登りは終わったんだ・・・ここからは、今登ってきた分を台無しにしていこう。
赤い矢印の部分、FTのストームゴージュアルパインパンツのポケット脇のベンチレーションを開け
肌が露出している状態。中にタイツなどを履いていないとこうなる訳だが、
このせいで私の右太腿外側はブユにやられることになった・・・ブユのやつめ・・・
ルートサインはほとんど無いが、沢への下りは踏み跡明瞭
嗚呼、あの沢までずっと下っていくんですね・・・
草の生えたエリアの後、わずかなザレを経て、今度は雪渓にぶち当たる。
ネットの情報では「北鎌を行くレベルの人にとっては大した問題にはならない程度の雪渓で、キックステップで十分事足りる」とあったので、軽アイゼンなどは持参しなかったが問題無し。
もう雪渓は大分崩れていたので、考え無しにドスドス歩けば確かに危険もあるだろうが、雪渓の端っこを歩いたり、場所によってはザレの上の踏み跡を辿ったりといった、いわゆる普通の雪渓の通過方法をとれば、これといった危険はないと思う。
しばらく雪渓が続く
ゴーロ帯に入る
雪渓を抜けてゴーロを暫く歩くと間ノ沢がさしてくる。割と存在感のある沢なので気付かないことはないだろう。自分達よりも先を歩いていると思われた2人組のパーティーが、既に北鎌沢出合で幕営しているかも知れないと思ったことと、もう既にいい時間なのでとっとと幕営して寝た方がいいのではないかということの2つの理由から、この間ノ沢出合付近で幕営することに決めた。

ヤマケイから出ている北鎌のDVDで紹介されているCTだと、間ノ沢出合~北鎌沢出合間は30分とのことだったので、その程度の誤差を翌日に吸収させても問題はないだろうという判断もあった。
夜間、私が白目を剥いているとか、ヨダレが酷いとかそういう理由で、幾度となくマスタにフラッシュを焚いて写真を撮られているんだろうと思いながらピカピカ光る白い光を鬱陶しく思いながらも目を覚ますことなくぐっすり眠っていたのだが、どうやら激しい雷だったらしい。

2日目へ

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